コールセンターを内製化するメリットとデメリットについて解説
企業によっては、コールセンター業務を社外に委託しているところもあります。
業務委託することにもメリットがありますが、内製化することによって得られるメリットも数多く存在するのです。
そこで今回は、コールセンターを内製化するメリット・デメリットについて解説します。
コールセンターの内製化とは?
「コールセンターの内製化」とは、自社の人員でコールセンター業務を運営していく方針のことです。
人員の確保やコールセンターのノウハウなどの問題で、社外にコールセンター業務を委託している企業は少なくありません。
これを社内で運営できる体制を整えることが内製化であり、さまざまなメリットがあります。
しかしながら、同時に「コールセンターを内製化することによるデメリット」も存在していることを念頭に置かなければなりません。
コールセンター内製化の担当者は、いかにして内製化のデメリットを抑えつつ、内製化によるメリットを最大化できる方法がないかを模索することが重要です。
コールセンター内製化のメリット
コールセンターを内製化することによって、以下のメリットを享受できます。
メリット① 応対品質が向上する
コールセンターへの問い合わせは、顧客が抱える問題の解決について専門知識を必要とすることも少なくありません。
しかしながら、アウトソーシング(外注)では、高度な専門知識を要求するのは難しいことであり、応対品質の向上に限界があります。
内製化することによって自社の社員が顧客に対応できるようになり、自社のことですから専門性の高い問い合わせにも十分に対応が可能となり、応対品質の向上につながるのです。
メリット② 応対スピードが向上する
顧客からの問い合わせが高度な専門知識を要する場合や、複数の部門をまたぐような複雑な内容である場合もあります。
こうした問い合わせには、アウトソーシングでは情報の確認に手間がかかってしまい、顧客を待たせてしまうことになるのです。
コールセンターを内製化することで社内の各部門で連携することができ、顧客の問題をスピーディーに解決できることで顧客満足度の向上と、人件費効率の改善につながります。
メリット③ 顧客の声をダイレクトに反映できる
顧客からの問い合わせは、ときには商品・サービスの品質改善につながるヒントになることもあります。
内製化することによって顧客からの声が自社にダイレクトに届くようになり、商品・サービスの改良などに活かすことで利益につなげられるのです。
メリット④ コールセンターのノウハウが蓄積する
コールセンター業務に限った話ではありませんが、業務を続ける中でさまざまなノウハウが蓄積されるものです。
しかし、アウトソーシングでは委託先にノウハウが貯まるだけであり、自社のノウハウにはなりません。
内製化によりコールセンター業務を自社の従業員で行うことにより、コールセンター業務の経験やその業務で得たデータを社内に蓄積することができるようになるのです。
メリット⑤ システム連携のスムーズ化
社内でコールセンター業務を行うことで、CRMツール等の顧客情報を一元管理することができます。
他の部署とのシステム連携がスムーズになるため、情報の共有がしやすくなります。
コールセンター内製化のデメリット
上記のようなメリットがあるコールセンターの内製化ですが、内製化することによって以下のようなデメリットも発生することを念頭に置く必要があります。
デメリット① 人員の確保が必要
コールセンターの運営にはオペレーターや管理責任者の配置が必要不可欠です。
社内の異動だけでなく、採用強化によってオペレーターを確保しなければならないでしょう。
しかし、昨今は多くのコールセンターが人手不足に悩んでおり、コールセンターの開設に十分な人員をスケジュール通りに確保できるかどうか不安が残ります。
デメリット② 運営体制の確立が必要
オペレーターの教育体制や部署内・部署間の連絡体制など、コールセンターを運営するのに必要な体制の確立は欠かせません。
きちんとマニュアル化して、誰が責任者になってもコールセンター運営の体制が大きく変わってしまわないようにしなければなりません。
デメリット③ システムの整備が必要
コールセンターを開設するためには、業務をスムーズに進めるためのシステム面の整備も欠かせません。
コールセンターの規模や業務内容に合わせて、必要となるシステムを導入しましょう。
デメリット④ 運営に必要な知識・技術の習得が必要
アウトソーシング業者が行っていた業務を社内で行うためには、コールセンター運営に必要な知識・技術の習得が必要です。
これには、運営にかかる人件費や研修費がかかります。
デメリット⑤ リスク管理の必要性
自社でコールセンター業務を行う場合、セキュリティ管理やプライバシー保護など、リスク管理に必要な対策を自社で行う必要があります。
例えば、個人情報の漏洩やクレーム対応などのリスクに備えるためには、セキュリティ対策や緊急対応体制などが必要です。
コールセンターの内製化を行うときの注意点
コールセンターの内製化を検討する際には、以下のような注意点があります。
コスト面の見極めが必要
コールセンターの内製化には、多くの場合、人件費や設備投資などのコストがかかります。内製化によるコスト削減を期待する場合には、投資額と見込まれる削減額を比較し、リターンオンインベストメント(投資利益率)を見極めることが必要です。
スキルアップの取り組みが必要
内製化した場合、コールセンターの業務に携わる社員のスキルアップにも取り組む必要があります。例えば、コミュニケーションスキルや問題解決力の向上、業務マニュアルの作成・改善などが必要です。
外部委託との比較検討が必要
内製化には、コールセンターシステムやネットワーク環境などの設備投資が必要です。また、テレフォニーシステムやコールセンターソフトウェアの導入や運用も必要です。これらの技術面の導入に注力し、業務の効率化や品質向上を目指すことが重要です。
システム・技術の導入に注力する必要がある
内製化によるコスト削減や業務品質の向上を期待する場合には、外部委託との比較検討が必要です。
外部委託によって、コストや品質に差がある場合もありますので、内製化によるメリットを最大限に引き出すためには、外部委託との比較検討を行い、最適な選択をすることが重要です。
以上が、内製化を検討する際に考慮すべき注意点です。内製化にはメリットがある一方、デメリットもありますので、自社の状況やニーズに合わせた適切な判断を行うことが大切です。
コールセンター内製化にはCTI導入も重要
先ほどシステム面の整備が必要であると解説しましたが、コールセンター業務をスムーズに行うためには「CTI」の導入も欠かせません。
この手のシステムは開設後に導入すると業務フローやマニュアルを変更する必要が出てくるため、開設時から導入しておくことをおすすめします。
まとめ:コールセンター内製化にはCTI導入で対応しよう
コールセンターの内製化には、人員やシステムの整備などが必要で相応の労力を必要としますが、さまざまなメリットがあるため内製化を検討することは大きな意味があります。
CTIを導入することにもメリットが多いので、コールセンターの内製化を検討される際にはCTIの導入も同時に検討しておきましょう。
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