コールセンターのSV研修とは?SV育成の必要性や課題について解説

コールセンターのSV研修とは?SV育成の必要性や課題について解説

コールセンターの運用に欠かすことのできないのが「SV(スーパーバイザー)です。コールセンターが目標としている日々の数値管理はもちろん、オペレーターのモチベーション管理やリーダーを含めた管理者への指導等、センターを下支えする重要なポジションを担います。
このように、近年注目されているSVですが、やはり研修や育成は欠かせません。具体的にはどのように進めていくのか、今回はSVについての詳細や研修内容、SVの必要性、今後の課題について等について詳しくご紹介いたします。

SVとは?

「SV」とは「スーパーバイザー(supervisor)」の略で、オペレーター等のコールセンターのスタッフ育成やセンター全体のマネジメント、管理、監督を行う職種です。
高いコミュニケーション能力と深い業務知識が求められ、オペレーターのトレーニング及びトレーニング計画の立案や勤怠管理等、マネジメント能力の高い方がSVとして活躍しています。
一般的にはオペレーター職を経験しないままに突然SVになるケースはほとんどなく、オペレーターを複数年経験してからSVになります。
SVの主な業務は、以下のようなものになります。

  • クライアントに、コールセンター導入の要望や目的をヒアリングする
  • クライアントの要件を正確に把握し、オペレーター向けのマニュアルを制作する
  • マニュアルをもとにオペレーターに指示を出し業務を開始する
  • 業務で思ったような成果が上がらない場合は、オペレーターに改善策をアドバイスし、チーム全体の
  • コール品質や成果率を上げるように努める
  • オペレーターでは対応が難しいクレームや問い合わせに対応する
  • 業務終了後、クライントにコール件数やアポイント獲得件数などの成果を報告する

このように、クライアントに対して要件をヒアリングし、結果報告等を行う一方、オペレーターにはマニュアルを提供し、教育やフォロー等を実施します。
また、オペレーターでは対応しきれないお客様の難しいクレームや問い合わせに対し、企業のイメージを損なわないよう慎重に応対するのもSVの役割となります。

H2:コールセンターのSVに求められる能力は?
コールセンターのSVにはどのような能力が求められるのでしょうか。ここでは、求められる能力を3つに絞って詳しくご紹介いたします。

1.高い業務遂行能力

SVは、クレームや特殊案件等の難易度の高い案件に対処することが多くなります。そのため、一般的なオペレーター以上の高い業務遂行能力が求められます。
オペレーターから引き継いで対処する場合、前任者以上の対応が不可欠です。顧客の抱えている不満や課題、問題を即座に認識し、事態の収束に向けて適切な判断を下す問題解決能力が必要となります。
さらにSVには、オペレーターよりも深い業務知識を所持していなければなりません。オペレーターや顧客からの疑問に的確に回答できないと、不安や不信感の元となり、現場の混乱を招く可能性があります。

2.マネジメント能力

コールセンターの品質や成果は、いわゆる「応答率」や「架電率」といった数字で明確に表れます。
SVはこの数値データを的確に読み取り、現状の問題は一体何なのかを理解する能力が必要です。
例えば、問い合わせ数やクレーム数がなかなか減らない場合には、電話の応対に問題がある可能性が示唆されます。また、オペレーターの業務負担が高いと電話の応対品質は低下する傾向にあり、クレームへとつながっていきます。
オペレーターの仕事量や内容は妥当か、数字を通して課題を理解、把握し、解決するスキルがSVには求められます。さらに、SVは各オペレーターの状況にも目を配らせ、全体像を把握した上で行動する能力も必要です。
オペレーターのサポートだけではなく「育成」という観点からも行動することが求められます。

3.コミュニケーション能力

どんなに電話応対が出来ても、コールセンターの現場管理がしっかりできていても、オペレーターやリーダーに声かけをしなかったり、相手の気持ちをくみ取れない発言をすると、センター全体の雰囲気に大きく影響します。また、黙々と仕事をするばかりで、クライアントや上司に適切なタイミングで正しい報告でできないと、不信感を抱かれる元となります。
また、オペレーターがミスをした場合、SVの指示が適切でないと事態の悪化を招く可能性があります。問題発生時は緊迫した状況になっていることが多いため、わかりやすく指示する必要があります。
上記のように、SVはオペレーターから常日頃「頼られる」存在でなければいざという時の信頼も得られません。日頃からオペレーターとのコミュニケーションを心がけ、信頼される人間性を持つ人がSVに適しているといえます。
ちなみに、業務に私情を挟んでしまう性格のSVだと派閥ができてしまったり、優秀な人材が定着しないといった、職場環境の悪化を招く恐れがあります。

コールセンターにおける「SV研修」とはどんなことを学ぶ?

コールのセンターでSVを育成するには、研修が欠かせません。どのようなことを学び、SVとしての活躍が求められるのでしょうか。ここでは、SV研修ではどんなことを学ぶかについてご紹介いたします。

研修1.SVの業務を理解する

まずはSVになったばかりの人や、SV研修をこれまで受けたことのない方向けに、SVの業務や役割を理解するための研修が行われます。
研修では、会社の上司やオペレーターの立場になり「SVに何をしてもらいたいか・何をして欲しいか」を考えます。
さらに、SVの管理業務やオペレーターの指導について概要を知ることも重要です。特に「応対品質を向上させて顧客満足度を高めるには何をすればいいか」を研修で学びます。
「高い応対品質とは何か」という前提の理解がないと、自分の主観だけで判断してしまうようになるため、正しい知識を研修で身につける必要があります。

研修2.PDCAの回し方を学ぶ

PDCAの回し方も、SVとして身につけなければなりません。
まずは「目標を立て」、「どのように実行して評価し」「改善するのか」という一連の流れを理解します。
さらに、組織としての目標設定や改善だけではなく、オペレーター個人に対してどのような目標を与えて評価するか、という指標を明確にする方法も理解するようにします。
オペレーターをモニタリングした結果に対し、フィードバックして改善につなげるのも、SVの重要な仕事といえます。

研修3.リスクマネジメントを学ぶ

コールセンターの管理者であるSVとして、リスクマネジメントも研修で学びます。業務上で生じるかもしれないリスクを理解し、事前に対応策を検討しておくことは重要な作業です。
例えば、時間やコストにまつわるリスクマネジメントがあります。「何を、いつまでに完了しないとどのようなリスクが起こるか」「人材の採用や育成コストがどれくらい予算をひっ迫させるか」等があげられるでしょう。
「やってはいけないこと」をあらかじめ理解しておくことにより、リスク回避につながる他、コールセンターを円滑に運営できるようになります。

これからのコールセンターにSVは必須!その理由は?

高品質な対応で、顧客満足度の向上を大きな目標としていることの多いコールセンターにおいて、SVは必須ともいえる役職です。それはなぜなのか、わかりやすくご紹介いたします。

オペレーターのスキルアップ・成果の向上につながる

SVは、チームの管理者や指導を行うことで、オペレーターのスキルアップや成果の向上を支援します。SVが行うトレーニングやコーチングは、オペレーターが持つ問題や課題を特定し、解決策を提案することが可能です。

オペレーターの心理的支えになる

オペレーターでは対処しきれないクレームや問題案件に対し、SVがサポートする役割を果たすことで、オペレーターの心理的支えになります。特に、SVが問題の根本原因をオペレーターと一緒に特定し、顧客に解決策を提案することで、オペレーターの心理的な拠り所や安心感を得る要因となります。

コールセンター全体の改善に貢献できる

コールセンターのパフォーマンスに関するレポート等を作成し、上司や他の部門と連携して改善に取り組めるのも、SVならではの特徴です。しっかりとしたデータと改善案を提示することにより、コールセンターの業務プロセスそのものの改善や、品質向上に関する取り組みを行うことができます。

緊急時・災害時のリーダーとなれる

大規模災害や緊急時の対処は「SVがどれだけ迅速に動けるか」がカギとなります。SVはBCP(Business Continuity Plan・事業継続計画と呼ばれる災害時マニュアル)に則り、オペレーターを含めたチームメンバーに指示を出すことが必要です。SVが在籍していることで、大規模災害や緊急事態にも対応することができます。

SVは「なり手」が少ない…SVが抱える課題について

ここまで、SVの特徴や必要な理由についてご紹介してきましたが、実はSVには「課題」も存在します。
どのような課題なのかご紹介していきます。

そもそもSVへ昇格したがらない

現場のオペレーターやリーダーは「SVの大変さ」を現場で直接感じ取っています。そのため「そもそもSVになりたがらない」という根本的な問題があります。
業務量の調整や、役職に見合った賃金を用意する等、SVが魅力的な立場であると認識してもらえるよう、企業が工夫を凝らさなければ、SVのなり手が増えない…という問題はなかなか解消できません。

SVの業務を担える人材が少ない

上記でご紹介したように、SVには様々な業務スキルや対人スキルが求められます。高い資質が必要となるため、その基準を満たした人材を見出すのは非常に困難を極めます、
SVへの昇格はオペレーターやリーダーからが基本ですが、実はオペレーターとして優秀だとしても、管理者であるSVとして優秀であるとは限りません。
例えば、業務スキルが優れていても、SVとして必要なコミュニケーション能力や即時の判断力に欠けている場合、管理者として不十分だといえます。
この問題を解消するために、企業によってはリーダーになった時点でSV業務の一部を代行させ、ある程度の業務スキルを身につけた時点でSVへ昇格させるといった方法も取られています。

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