コールセンターの業務フローとは?作成の手順とポイント
複数人が関わるコールセンターでは、「誰が」「いつ」「どこで」「何をすればいいのか」がどうしても不明瞭になりがちです。業務の効率化を図りたい管理者にとっては、難しい問題といえます。
この問題を解決する手段の1つとして有効なのが「業務フロー」です。業務フローを使って整理・可視化することにより、誰もが業務の全体像を把握できるようになり、実行や改善もしやすくなります。
では、どのように業務フローを作っていけばいいのでしょうか。今回は業務フローの作成手順やポイント等について詳しくご紹介いたします。
業務フローとは?
業務フローとは、業務の流れを図で表示し、わかりやすく「見える化」したものを指します。業務を円滑に進めるためには、どのタイミングで、誰が、何をするのかという作業工程をしっかり理解しておく必要があります。
業務フローを作成すると、業務に携わるスタッフ全員が共通の認識を持つことができ、業務を進めやすくなります。主にコールセンターでは、以下のようなシーンで業務フローの活用が期待できます。
【コールセンターでの業務フローの例】
- 入電から後処理までの流れを明確にする業務フロー
- 入電があった際、IVR(自動音声システム)やACD(着信自動分配装置)と連携するための業務フロー
- 他の部署と連携するための業務フロー
- 新人研修の進め方の業務フロー
例えば、コールセンターに入電があった際には、業務フローを作成しておくことで可視化でき、対応するオペレーターの心的負担が少なくなります。また、業務フローを見ることで、着信から通話までの流れを誰もが同じように理解できるようになり、個人間の齟齬が少なくなります。
コールセンターにおける業務フロー作成の手順を解説!
コールセンターで使用できる業務フローを作成するにはいくつかの準備や手順を踏んでいく必要があります。ここでは、業務フロー作成の手順を流れに沿ってわかりやすくご紹介いたします。
1.業務フローをなぜ作成するのか、目的を明確にする
まずは、業務フローをなぜ作成するのか、事前に目的を明確にしておきましょう。考えられる目的としては、主に以下のようなものがあげられます。
- 業務をより効率化するための、改善点の洗い出し
- 新人研修
- 引き継ぎ用マニュアル
- 他部署やクライアント等への業務内容の説明
この目的に応じて、業務フローの内容や書き方も変わってきます。
- フロー化する業務の範囲はどこまでにするのか
- 現状の業務フローをそのまままとめるのか、理想的な業務フローを再度構築するのか
- どの程度まで業務内容を詳しく記載するのか
目的に応じて、どのような業務フローを作るのかをあらかじめ決めておくことが大切です。
2.業務に関わる担当スタッフ・担当部署を書き出す
次に、業務フローの内容に応じて、関わってくるスタッフや部署を漏らさず全て書き出していきます。
コールセンターの場合
- オペレーター
- リーダー
- スーパーバイザー(SV)
が主となり、場合によって「取引先」「営業担当部署」「発送担当部署」「製品修理担当部署」等複数の部署が加わっていきます。
3.必要な作業を洗い出す
担当者が出揃ったところで、各々の担当者の作業を全て洗い出します。できるだけ担当者それぞれにヒアリングを行い、細かい作業まで全てあげてもらうのが理想的です。
具体的には、作業として「お客様からのコールを受ける」という大まかな作業ではなく
- 顧客の名前・割り振られた顧客番号をヒアリングして入力する
- 対応完了後、ログの記入・受注データの入力・その他要望や補足を付け足す
といったように、管理が容易にできるような作業内容に細分化して聞き取っていきます。
同時に
- その作業を行う時間や負担はどれくらいかかるか
- どのような問題点があげられるか
- どのように改善していく必要があると思うか
等も聞いておけば、業務フローの改善に役立ちます。できれば、現状の業務フローと行うべき作業の業務フローの2つを作成し、差を確認すると効果的です。
また、この時にクレームやトラブル対応、緊急時の対策等のいわゆる「イレギュラーフロー」も洗い出し、不足箇所があればどのように対応するのかを決めておくと安心です。
4.作業を担当別に整理し振り分ける
ここまでで担当者と必要な作業がリストアップされました。ここから、整理し振り分けていきます。
どの作業は誰が行うのか、もし曖昧になっている箇所があったり、特定の担当者が決まっていないものがあれば、この段階できっちりと仕分けしておきましょう。
5.作業を時系列に並べる
担当者と作業の仕分けができたら、今度は時系列に沿って並べていきます。コールセンターの場合、顧客からの発信・受信内容や要望によって、作業の流れが枝分かれしていきます。
例えば
- 注文の場合と問い合わせの場合
- 窓口によって対応が変わる場合
この2つでは、次に担当する担当者や作業が変わってきます。これらの分岐を含めて、担当者と作業を時系列で整理していきます。
6.業務フロー図を作成する
最後に、業務フロー図を作成していきます。一般的には、ExcelやPowerPointで作成されることが多く、作成の利便性も高くなっています。
今までに集めた情報を元に作業を記載していき、流れが一目見てわかるよう矢印でつないでいきます。
ただし、あまり細かくし過ぎるとフロー図が長くなり、業務の全体像がわかりにくくなってしまうというデメリットが発生します。
必要な分のみで、かつ内容をシンプルにまとめるように仕上げましょう。
業務フロー作成時のポイント3つ!ここに気をつけよう
業務フローの作成について詳しくご紹介してきましたが、作成時にこれからご紹介するポイントを押さえておくことにより、さらにわかりやすく視認性の高い業務フローが作成できます。
そのポイントがどのようなものなのか、以下より詳しくご紹介いたします。
情報収集は念入りに行う
上記でご紹介した「業務の聞き取り」の際、可能な限り細かな部分まで聞き取りを行うのがポイントです。対象部署の業務内容や製品の品質、問題点、社員の意見等、細かな部分まで聞き取りをしておくと後々わかりやすいフロー図に役立ちます。
反対に情報収集が不十分だと、内容が薄く、細かな作業に対応出来ないフロー図になってしまう恐れがありますので、時間をかけてしっかり丁寧に情報を集めていきましょう。
フロー図はできるだけシンプルに仕上げる
作業手順を把握する場合は、作業手順が分かれる分だけ分岐図形を用いる等、できるだけシンプルなフロー図作成を心がけましょう。
良いフローは
- 業務開始のきっかけ(スタート地点)が明確である
- 時系列がわかりやすい
- 業務が分岐する条件が明確である
といった特徴があります。
業務フローのメリットは「誰が見てもわかりやすい」ことですので、複雑化してその良さを損ねてしまわないよう、十分な注意が必要です。
必要に応じて図形を活用する
フロー図にはフロー図用の図形や記号があります。それを上手く活用するとわかりやすさがさらに上がります。
どの図形にどんな意味があるのかを知っておけば、一目見ただけで業務の流れが把握しやすくなります。色分けするとさらに視認性が上がるのでお勧めです。
ただし、あまりにもたくさんの図形を使い過ぎると逆にわかりにくくなってしまいますので、なるべく使う数は絞りましょう。
それでも「十分に情報が記載できない」といった場合には「業務内容の詳細」や「備考」欄を設け、そこに情報を箇条書きする等して追加しておくといいでしょう。
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