コールセンターのエスカレーションとは?事前に決めておきたいルール
コールセンターにおいて、通話の内容にオペレーターが対応しきれないケースは少なからずあります。特に商品の詳細な説明や無理な要求をしてくる顧客、激しいクレーム対応等の場合は、別の担当者に対応を依頼する「エスカレーション」で対応し、解決することが多くあります。
しかし、エスカレーションのルールが定まっておらず、どのタイミングでエスカレーションすればいいか曖昧になっており、問題解決に時間がかかってしまうケースも少なからずあるようです。
そこで、今回はエスカレーションにおける問題点や、あらかじめ決めておきたいエスカレーション時のルールについて、詳しくご紹介いたします。
コールセンターにおけるエスカレーションとは?
エスカレーションは英語で「段階的な拡大・増加・上昇・激化」という意味を持っており、オペレーターによる一次対応では難しい通話をSV(スーパーバイザー)や上長、責任者等に交代して対応することを指します。
通話の内容は、オペレーターのレベルや経験によって対応できる範囲が異なります。例えば、商品に関する質問を受けた新人オペレーターが対応できない場合には、商品に関する知識が豊富な先輩オペレーターが代わりに対応するのも、エスカレーションの一種となります。
特にクレーム対応はエスカレーションの対象となることが多くあります。クレーム対応の責任者を配置する場合には、一般的なオペレーターよりも精神的負担が大きいため、待遇面で優遇される傾向があります。
新人オペレーターを先輩やSVがフォローするケースの他にも、値引き交渉等オペレーターの権限では対応できないケース、クレームやトラブルで責任者が呼び出されるケース等、多岐に渡ります。
エスカレーションにおける問題点は?
オペレーターにとっては必要不可欠ともいえるエスカレーションですが、問題点も複数あります。ここでは、エスカレーションにおける問題点について、具体例を交えながらご紹介いたします。
問題点1.報告タイミングや報告すべき案件なのかの判断が難しい
オペレーターが顧客対応の中で対応が困難になり、責任者に相談または引き継ぐ場合、適切なタイミングで依頼することが重要となります。しかし、新人のオペレーター等は経験が少ない上に知識も不足しているため、どのような内容がエスカレーションの対象になるか判断できない場合があります。
かといって「対応方法がわからない」と全て責任者に対応依頼すると、SVや上長の負担が大きくなり、センター内の業務効率低下につながります。
反面、オペレーターの判断に任せきりになってしまうと適切な対応ができず、顧客満足度が低下する原因になってしまいます。エスカレーション対応の対象となる具体的な内容をまとめ、マニュアル化することにより、オペレーターは正しい行動ができるようになり、責任者の負担も軽減されます。
問題点2.特定の責任者にエスカレーションが集中しやすい
エスカレーションのルールに則って対応の引き継ぎを行っても、特定の責任者に依頼が集中し過ぎて対応が間に合わないケースもあります。エスカレーションを行う基準や方法が確立されていないと、誰に相談や引き継ぎをすればいいかわからないというトラブルが生じ、結果的に、重大なクレームに発展してしまうこともあります。
このようなクレームを予防するためには「エスカレーションの数を減らす」といった対処法も必要になります。
顧客からの問い合わせに適切な対応ができるための知識やスキルの研修を行い、オペレーター自身が対応できる数を増やしていく必要があります。また、イレギュラーが発生した場合でもある程度対応ができるようにする、エスカレーションを受けられる担当者を増やすといった対策が必要となります。
問題点3.顧客満足度と業務効率の低下につながる
エスカレーションが必要となった際、スムーズな引き継ぎが行われないと、顧客を電話口で待たせてしまうことになります。さらに、熟練オペレーターや専門部署への相談や質問が長くなると、1件あたりの応対時間が長くなり、コールセンターに電話がつながらないという事態になりがちです。
保留時間が長く、問題解決までに時間がかかると、顧客は不満を募らせてしまいます。コールセンターにおける電話のつながりにくさは、そのまま顧客満足度の低下につながっていくため、注意が必要です。
あらかじめ決めておきたいエスカレーション時のルール
オペレーターの負担を軽減するため、また、電話をかけてきた顧客の疑問や不満をスムーズに解決するためには、エスカレーション対応に関するルールの整備が重要となります。ここでは、あらかじめ決めておくことで効率的なエスカレーションになるルールの策定についてご紹介いたします。
エスカレーションの対象を明確にした上でレベル分けする
まずは、エスカレーションを必要とする場面を明確にし、対応の難しさや要望別にレベル分けしておきましょう。例をあげると、質問・相談を行いオペレーターが対応するレベル1、専任者の対応が必要なレベル2…等、段階的に分けておきます。レベル分けを行い、対応者を決めておくことで、スムーズなエスカレーションが可能となります。
また、エスカレーションの対象となる問い合わせ内容はできるだけ具体的にしておくことも大切です。特に経験の浅いオペレーターは判断に迷ってしまい、適切な対応ができず問題を大きくする危険があります。さらに、現場では様々な状況が想定されるため、複数のパターンを用意することが大切です。
情報共有を徹底化する
エスカレーションを実施した事例は、対応内容と解決方法を記録し、オペレーター全員へ周知徹底します。これを行うことにより、次に同じような質問を受けた際にエスカレーションを行わず、オペレーター1人で対応できます。他にも、コールセンターに寄せられる問い合わせの課題や対策を、データとして蓄積し共有することで、オペレーターのスキルアップにもつながります。
オペレーターの応対スキルが向上することで、エスカレーション件数の削減にもなります。情報共有の徹底化は、コールセンター全体のレベルアップや顧客満足度の向上に効果的です。
定期的にルールの見直し・更新を行う
上記でご紹介したルール化はあくまでも「枠組み」に過ぎないため、定期的な見直しが必要となります。エスカレーションを実施する中で、想定外のトラブルが発生する可能性もあります。そのため、都度ルールを見直し、最適な状態に更新し続けることが大切です。
特に、対応が必要な問い合わせ発生から引き継ぎまでの一連の流れを示す、いわゆる「エスカレーションフロー」は、柔軟に改善し続けましょう。ルールの見直しや更新も迅速に行うことが求められます。
コールセンターでは日々多くの問い合わせを受けるため、いち早く最新の状態に整えていくことが重要となります。エスカレーションだけではなく、担当者の変更があった際にも、現場が混乱しないように更新を行いましょう。
エスカレーションの削減に効果的なCTIも活用しよう
コールセンターには様々なシステムが導入されていますが、最も多く取り入れられているのがCTIシステムです。CTIシステムには、責任者がオペレーターの通話状況をチェックするモニタリング機能や、オペレーターのみにアドバイスを送るウィスパリング機能等、豊富で便利な機能が揃っています。
また、CTIシステムには稼働状況や応対状況をレポート出力する機能もあり、エスカレーションの削減だけではなくSVや責任者の業務負担軽減にもなります。
コールセンターの効率的な運用には、CTIシステムの導入がお勧めです。
コールセンターにおけるエスカレーションの削減にはMostableが有効です!
弊社シナジーが開発しているMostableは、顧客ニーズをテーマにした機能を取り揃え、さらに細かなニーズにも着目して開発を進めてまいりました。
特にご要望として多いのが「オペレーターの負担を軽減したい」というものです。高価なCTIシステムを導入したものの複雑な機能が多くて操作が難しく、オペレーターが操作を覚えるのに時間がかかってしまうというお声を多く聞きます。
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他にも、上記でご紹介したモニタリング機能やウィスパリング機能、レポート出力機能や支店・代理店・在宅勤務の連携や顧客情報、業務の共有等、コールセンターに必要な機能がしっかり備わっています。
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