【コールセンターのBCP対策】非常事態に備えておきたい5つのポイント

【コールセンターのBCP対策】非常事態に備えておきたい5つのポイント

台風や地震、豪雨等の自然災害や、近年の新型コロナウイルス感染症の蔓延に見るパンデミック等、大規模災害の発生時にもコールセンター業務を続けるには、平時からの準備が重要となります。このような、予期せぬ事態が発生した際にも、業務を継続させるために必要なのが「BCP」と呼ばれる対策です。
では、BCPとはどのようなもので、コールセンターにはどう策定していけばいいのでしょうか。今回は「コールセンターのBCP対策」として、非常事態に備えておきたいポイント等を詳しくご紹介いたします。

緊急時の備えとなる「BCP」とは?

「BCP」とは「Business Continuity Plan」の頭文字を取ったもので、日本語に訳すと「事業継続計画」となります。BCPは、何らかの非常事態が発生した場合、仮に業務を中断せざるを得なくなっても、その影響をできるだけ最小限に抑えた上で、早期に復旧を図るための計画を指します。
BCPが必要となるシーンとしては、以下のようなものがあげられます。

  • 豪雨・地震等の自然災害
  • 施設の火災、漏水事故
  • 公共交通機関の大規模な運行停止
  • 感染症等のパンデミック
  • マルウェア感染、不正アクセス等のサイバー攻撃

特に「感染症等のパンデミック」は、2020年より世界的に蔓延した新型コロナウイルス感染症により、多くの企業が対応を迫られました。ほとんどのコールセンターが規模を縮小したため、有人対応のサポート窓口が繋がりづらくなり、多くのユーザーの不安や不満の要因となりました。
今後も、パンデミックや自然災害の対応を含めたBCP対策は、非常に重要なポイントになるといえるでしょう。

コールセンターのBCPで重要なポイントを5つ解説!

コールセンターにおいてのBCPは、重要なポイントをしっかり押さえておかないと、緊急時に使用できないものになってしまいます。策定する際にはどのような点に注意したらいいのか、押さえておきたいポイントをご紹介いたします。

1.緊急時にどの業務を継続させるか決める

まず、大規模な事故や災害が起きた際に、「継続する業務」と「中断する業務」を事前に区分しておきます。
その際、継続すべき業務と継続しない業務はどう線引きして決めるか、どう扱うかについては、明確にルールを決めておくことが重要です。
非常事態時には、コールセンターも通常時とは異なる対応を取らなくてはなりません。その際、非常時のルールが明確に決まっていることにより「この場合はどうすればいいか」と現場が戸惑うことなく、落ち着いて対応ができます。明確な区分とルールをあらかじめ決めておくことにより、非常時に役立ちます。

2.業務拠点の分散

自然災害が発生すると、被災地一帯が大きな打撃を受けます。電力をはじめとするライフラインが断絶され、業務に支障が出る他、帰宅困難を引き起こす恐れもあります。
東日本大震災の際には、東日本の拠点は大打撃を受けた反面、西日本の拠点には被害がほとんどなく、地域によっては無傷で済んだという例もあります。
このように、特定の地域の拠点が大きな被害を受け、業務の続行が難しくなったとしても、他の拠点に問題がなければ、業務を引き継ぐことが可能となります。
BCP対策として、拠点の数をある程度増やしておく、あるいは遠距離に配置しておくことは有効な対策といえるでしょう。

3.情報共有の仕組みを用意しておく

2の業務拠点を分散させた場合、次に必要となるのは情報共有の仕組みです。非常時には、より正確な情報が重要になるため、これらの情報をすぐに共有できる仕組みを用意しておく必要があります。
この際、社内サーバーで全ての情報を格納している「オンプレミス型」よりも「クラウド型」の方が利便性は高くなるでしょう。
オンプレミス型では、サーバーそのものの転倒や破損、電源の喪失といった事態が想定されます。しかし、強固に守られたデータセンターであるクラウドサーバーは、簡単に使用不能に陥ることはあまりないため、非常時の情報共有には最適な存在です。

4.セキュリティを強固・万全にしておく

コールセンターは、大切な顧客のデータを数多く扱う部門です。非常時になったとしても、セキュリティについては通常時と同じく、万全の体制を確保しておく必要があります。
非常時の対応として、拠点の分散を行うのであれば、各拠点のセキュリティ環境の整備・対策には十分配慮し、BCP発動後の対応についても、顧客情報をどのように扱うか、ルールを明文化しておくべきです。
いついかなる時でも、顧客情報は「最優先で守るべきもの」とし、その姿勢が揺るがないよう、体制を整えておきましょう。

5.非常事態時の運用ルールを定めておく

上記でもご紹介しましたが、BCPの発動時にどのような対応を取るのか、運用ルールを平時とは別に策定しておくことにより、非常時にも安定した運用が可能となります。
また、この運用ルールには、復旧に関する基本的な基準も含めておくことが前提です。BCPに準じて一時的に業務を制限した状態から、何をどのようにして復旧を図るのか、そのための手順はどうするのか、復旧作業中に再度災害が起きた、悪化した場合にはどうするか等、非常時対応への移行だけではなく、平時へ戻るための復旧プロセスを策定しておくのも、BCPにおいては重要です。

実際に非常事態が起きた際の対応は?

実際に非常事態が起きた際には、事前に策定したBCPに沿って対応することが必要となります。ここでは、「大規模災害が発生した」と想定して、必要なコールセンターの対応についてご紹介いたします。

テレワークを積極的に導入する

近年の新型コロナウイルス感染症の蔓延によって導入が大幅に高まったテレワークの導入は効果的です。
「サテライトオフィス」や「コワーキングスペース」「自宅」での作業も積極的に推奨していきましょう。
特に都市部では、鉄道会社の相互乗り入れが非常に発達しているため、沿線のどこか1箇所でトラブルが起こっただけで、全線が不通あるいは遅延してしまうケースが多く見られます。豪雨や豪雪、災害の際には、さらにその可能性は増すでしょう。また、新型コロナウイルス感染症拡大によって発生した外出自粛のように、交通機関は正常に動いていても出勤できないという例もあります。
このような事態に備えるためには、オペレーターそれぞれの在宅勤務の可能性を探っておくことが重要となります。

スタッフへのメンタルケア

大規模災害は、多くの人々に物理的だけではなく心理的なダメージも与えます。もちろん、コールセンターのスタッフも例外ではありません。本人あるいは家族等、身近な人達が被害者となっている可能性もあります。
この場合には、企業としてはスタッフに対するメンタルケアが最優先です。ショックを受けているスタッフは十分に休ませる、相談窓口を設ける等の対処を行い、無理をさせない工夫が必要となります。
もう一つ重要な点としては、仕事ができないことによる収入減への配慮です。企業の規模等によって対応できる範囲は変わってきますが、どのような対応が可能なのかを明確にし、スタッフに伝えておくことが、いざという時の安心感へつながります。
人は「先行きの不透明感」に大きく不安を覚え、時間経過と共にさらにその不安を増幅させるものです。スタッフが少しでも安心できる対応が、企業には求められます。

ケースごとの対応策を策定しておく

ここまで、非常事態時の対応についてご紹介してきましたが、一口に「非常事態」といっても、その内容によって置かれる状況や対応には違いが出てきます。
例えば
※電気・ガス・水道といったライフラインは維持されているか
※交通機関や道路状況は正常に動いているか
※外出あるいは人の移動そのものが難しい状況になっていないか
等、想像できるあらゆる事態に対して、業務継続のための対応策を作成しておくと役立ちます。
この「ケースごとの対応策を策定しておく」はBCPの本質ともいえることですので、できる限り対策を施しておくことをお勧めいたします。

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