CTIシステムは無料で使える?無料CTIのメリット・デメリットと注意点
CTIシステムは、顧客対応や電話営業(テレアポ)、ヘルプデスク等のコールセンターにおいて欠かせないシステムです。適切なCTIシステムを導入することは、オペレーターの応対品質向上に大きく貢献します。
しかし「本当に使いやすいのか」「導入することによりどのようなメリットが得られるのか」等、なかなか導入後の想像がしづらい方も多くいらっしゃるようです。
そこで、今回は「お試し版」等で機能制限がされているものの、基本的な機能のほとんどを網羅している「無料のCTIシステム」について、その詳細やメリット・デメリットについても詳しくご紹介いたします。
CTIシステムを無料で使うには?
CTIシステムを無料で使うには、どのような方法があるのでしょうか。ここでは、無料でCTIシステムを導入・利用する方法についてご紹介いたします。
完全無料の製品を使う
開発メーカーによっては、完全無料でシステムを提供している、または無料プランのサービスを提供していることがあります。この場合、導入や利用にあたって費用が一切かからないのが特徴です。
ただし、有料版と比較して、利用できるユーザー数や使える機能に制限があります。利用したい機能が明確に決まっていたり、多くの機能を求めないのであれば、完全無料のシステムも有効な選択肢の1つです。
特に、オペレーターの人数が少ない、またはシンプルな機能のみで問題ない時にお勧めです。
有料製品の無料トライアルを利用する
有料製品の無料トライアルを一定期間利用する方法です。1週間〜数ヶ月程度のトライアル期間内であれば、有料版の全ての機能または制限された一部の機能を自由に利用することが可能です。
ただし、基本的には製品の機能を確認したり、どのような使用感なのか等、費用対効果を試すことが大きな目的となるため、長期的に無料で使用したい場合にはあまり適していないといえるでしょう。
無料で使えるCTIシステムのメリットは?
無料で使えるCTIシステムにはどんなメリットがあるのでしょうか。無料のCTIシステムは、コスト削減や基本的な業務効率化を実現する手段として有益ですが、ビジネスの要件が変更になる、あるいは将来の成長戦略に合わせて有料にする等、随時検討していくことが必要になることを理解しておく必要があります。
ここでは、無料で使えるCTIシステムのメリットについてご紹介いたします。
コスト削減につながる
無料のCTIシステムを利用することで、サーバーを始めとしたハードウェアの導入に関する費用やライセンス費用等、導入に関する費用を抑えることができます。特に中小企業やスタートアップ企業の場合には有効です。初期投資を最小限にしながら、CTIシステムを利用できるのが大きなメリットとなります。
導入が容易である
無料のCTIシステムは、その性質上多くの場合クラウドベースで提供されています。これにより、専用のサーバー等のインフラストラクチャ(基盤施設)の構築が不要となり、Webブラウザ等を介してシステムにアクセスすることができます。また、近年は在宅ワークやコワーキングスペースで仕事を行う等、働き方の多様化が進んでいます。クラウドベースのCTIシステムであれば場所やデバイスを選ばずに作業ができるため、非常にフレキシブルな業務環境を構築できます。
基本的な機能が全て無料で使えることが多い
CTIシステムの基本機能がほぼ全て無料で使えるのも、無料で使えるCTIシステムの特徴です。具体的には、以下のような機能があります。
- CRMシステム(顧客関係管理システム)
- IVR(自動音声応答機能)
- ACD(着信の自動振り分け機能)
- プレビューダイヤリング(顧客情報や過去の履歴をパソコンの画面上に表示する機能)
- プレディクティブダイヤリング(自動予測発信・顧客リストの電話番号にシステムが自動で架電する)
これにより、通話の受け答えや顧客対応の効率化が実現でき、ユーザーの満足度向上やオペレーターの架電ミスといったリスクを減少させることが可能です。
アップグレードに対応している
多くの無料CTIシステムは、基本的な機能のほとんどを網羅していますが、ビジネスの成長や企業の拡大に応じて機能を拡張できるよう、有料プランへのアップデートサービスを行っています。
必要に応じてシステムの拡張や機能の追加等、柔軟性を保ちながら、使用しているCTIシステムを進化させることができます。
デメリットも知っておこう!無料で使えるCTIシステムの注意したいポイント
無料で使えるCTIシステムには、もちろんデメリットも存在します。無料のCTIシステムを導入する際には、企業が展開しているビジネスのニーズや戦略に合わせたものを、注意深く選定していくことが大切です。
ここでは、CTIシステムのデメリットや注意したいポイントについて詳しくご紹介いたします。
機能や利用期間に制限が施されている
無料で使えるCTIシステムは大きく分けて2種類あります。
- 無料期間があるお試し版
- 機能制限を施してある無料版
この2タイプです。
無料のCTIシステムは、機能に制限がかかっていることがほとんどです。特に高度なカスタマイズや複雑な業務への対応が難しく、ビジネスの成長や進化に伴って、必要な機能や柔軟性が不足する可能性が高くなります。
また、ある程度無料期間を設けた上で「これ以上使用する場合はライセンス料が必要となります」という形を取り、利用制限を設けている無料CTIシステムも多くあります。
システムの使用を続けたい場合は、開発メーカーが提示するライセンス料を支払う必要があります。
セキュリティやプライバシーにリスクがある
機能に制限がかかっている他にも、セキュリティやプライバシーの保護が、無料のCTIシステムの場合には十分ではないことが多くあります。特に、ウィルスやマルウェア(悪意のあるソフトウェアの総称。使用すると機密情報の破壊や倒壊、個人情報を抜かれる等のリスクがある)の感染により、顧客情報や企業データの漏洩、悪用のリスクが高まることは知っておきましょう。データの安全性を確保するためには、無料のCTIシステムに頼らないセキュリティ対策を講じておく必要があります。
サポート体制が限定されている
無料のCTIシステムの場合、いわゆるカスタマーサポートが十分に提供されない可能性があります。特にシステム障害や何らかの問題がシステムの運用中に発生した際、迅速な対応が得られないこともあり、業務の運用に悪影響を及ぼすリスクがあります。適切なサポートを受けるためには、ほとんどの場合で有料プランへの移行が必要となります。
カスタマイズに制限がある
有料のCTIシステムであれば、コールセンターの規模や業務内容に応じたカスタマイズができますが、無料のCTIシステムでは、カスタマイズや既存システムとの統合が制約されていることが多くあります。
企業独自の業務や現状使用しているツールとの連携を確実に行うためには、システムそのものに十分な柔軟性やカスタマイズできる機能が必要です。無料版の場合は、このような要件に対応しきれません。
無料のCTIシステムは「導入検討の材料」として効果的
無料のCTIシステムは、基本的に「導入前の検討材料」として活用するのがお勧めの使い方です。上記でご紹介したように、機能や利用期間に制限が設けられているものの、システムの操作性やUI(ユーザーインターフェース)の見やすさ等は十分無料期間で試せます。CTIシステムの導入に失敗したくないとお考えの際には、無料のCTIシステムでお試し運用をしてみた上で、導入を検討すると安全かつ確実です。
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