CTIシステムは複数回線で同時に利用できる?電話回線とCTIについて解説

CTIシステムは複数回線で同時に利用できる?電話回線とCTIについて解説

着信数の多いコールセンターでは「複数回線で対応する」ことが、コールセンター業務における顧客満足度を高めて効率よくコールセンターを運営するうえで重要なポイントになります。
CTIを導入するにあたって、複数回線で同時に利用できるかどうかについては、コールセンターの規模によっては死活問題になるでしょう。
そこで今回は、CTIシステムが複数回線で同時に利用できるのかについて解説します。

システムやプランによって異なる

結論を述べると、CTIシステムは複数回線での同時利用に対応しているものがありますが、あくまでもシステムの種類やプランの内容によって異なります。
たとえば、あるCTIシステムでは以下の動作環境で利用できます。

  • アナログ回線:対応回線数4~28回線
  • INS64:対応回線数2~14回線
  • INS1500:対応回線数1回線
  • IP回線:対応回線数4~28ch

また、別のCTIシステムでは、同時着信があった場合に最大4回線までの着信を通知する「多回線プラン」と、同時着信の際に選択1回線まで通知する「単回線プラン」が用意されています。
このように、CTIはシステムやプランによって対応回線数が異なるため、複数回線で同時にCTIを利用したい場合は、複数回線に対応しているシステム・プランを選定する必要があるのです。

コールセンターにおける「呼損率」と「回線コスト」のジレンマ

同じ電話番号で複数の顧客と同時にやり取りするためには、複数の回線を契約してコールセンターを運営する必要があります。
たとえば、5回線を契約しておくことで、同時に5人の顧客と通話でやり取りすることが可能になるのです。
このとき、5つすべての回線を使用している際に6人目以降の着信があった場合、すでにすべての回線が使われているため、6人目以降の着信は対応することができません。

たとえば、ある一定の期間内に100回の着信があり、そのうち3回の着信に回線が埋まっていることで対応できなかった場合、呼損率として0.03が計上されます。
呼損率が高ければ高いほど、多くの顧客からの着信にタイムリーに対応できていないということになりますので、顧客満足度の低下をもたらしてしまうでしょう。
これに対応するためには、契約する回線数を増やし、回線数以上のオペレーターを配置することで呼損率を減少させることができます。

ただし、契約回線数を増やしすぎると、回線の契約コストがかさんでしまいますので、コールセンターの運営コストが上昇してしまいます。
コールセンター自体は会社に金銭的な利益をもたらさないことが多いため、コールセンターの運営が会社にとって重荷にならないためにはコストカットしてスリムなコールセンター運営が必要です。
つまり、過剰に回線数を契約して回線コストを増やすことは避けなければならない一方で、契約回線数が少なすぎることによる呼損率の高さについては目を光らせなければなりません。

複数回線で運用することを前提としたCTIの適切な選定方法

最後に、複数回線でコールセンターを運用するにあたって、最適なCTIの選定方法について解説します。

必要な回線数を明確にしておく

まずは、自社のコールセンターの「最適な回線数」を明確にしておきましょう。
現状の回線数で目標値となる呼損率の範囲内であれば現状のとおりで構いませんが、呼損率が過剰に高い場合や低い場合は、契約回線数を見直す必要があるかもしれません。
現状のデータを分析し、契約回線数を変更するべきかどうかを確認しておきましょう。

CTIの動作環境を確認する

必要な契約回線数が明確になったら、その回線数に対応しているCTIを探してピックアップしておきましょう。
対応回線数はシステムやプランによって異なりますので、先ほど解説した通り自社コールセンターに最適な回線数を明確にしたうえで、その回線数に対して十分に対応できるCTIから導入するシステムを選定する必要があります。
対応回線数などの情報は、CTIのホームページの「動作環境」のページに掲載されていることが多いですが、ホームページ内に情報が見つからない場合はこちらから問い合わせて確認してみることをおすすめします。

試用期間で使い勝手を確認する

どのようなシステムにも共通して言えることではありますが、システムを本格的に導入する前には必ず「試用」つまりお試しでシステムを導入することを忘れないでください。
実際に使ってみないと、CTIの場合であればシステムの使いやすさや通話の音質など、ホームページの情報などではわからない部分も多いです。
多くのシステムは無料で数週間ほど試用できますので、導入を検討しているシステムが見つかったら必ず試用してから導入してください。

まとめ:複数回線でCTIを運用するためには動作環境をきちんと確認しておく

コールセンターでは複数の回線で運用する必要があり、複数回線で同時に利用できるCTIを選定する必要があります。
動作環境などのページでCTIの動作条件を確認しておき、導入前に試用してから導入を決定すると安心です。

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