コールセンターのSV研修とは?SV育成の必要性や課題について解説

コールセンターのSV研修とは?SV育成の必要性や課題について解説

コールセンターの運用に欠かすことのできないのが「SV(スーパーバイザー)」です。日々の数値管理はもちろん、オペレーターのモチベーション管理やリーダーを含めた管理者への指導等、センターを下支えする重要なポジションを担う役職です。
近年注目されているSVですが、やはり研修や育成は欠かせません。具体的にはどのように進めていくのでしょうか。今回はSVについての詳細や研修内容、育成の必要性や今後の課題について詳しくご紹介いたします。

SVとは?

「SV」とは「スーパーバイザー(supervisor)」の略で、オペレーター等のコールセンターのスタッフ育成や、センター全体のマネジメント、管理、監督を行う職種です。
高いコミュニケーション能力と深い業務知識が求められ、オペレーターのトレーニング及びトレーニング計画の立案や勤怠管理等、マネジメント能力の高い方がSVとして現場で活躍しています。
SVの人数はコールセンターの規模にもよりますが、少なくても2~3名、大規模の場合は5~6名のSVが在籍していることもあります。男女比率は、コールセンターのスタッフに女性が多いことから、基本的に女性がなりがちなポジションですが、もちろん男性でもなることが可能です。

コールセンターのSVに求められる能力は?

コールセンターのSVにはどのような能力が求められるのでしょうか。ここでは求められる能力を3つに絞って詳しくご紹介いたします。

1.高い業務遂行能力

SVは、クレームや特殊案件等の難易度の高い案件に対処することが多くなります。そのため、一般的なオペレーター以上の高い業務遂行能力が求められます。
オペレーターから引き継いで対処する場合、前任者以上の対応をしなければ問題解決に至りません。
顧客の抱えている不満や課題、問題を即座に認識し、事態の収束に向けて適切な判断を下す問題解決能力が必要です。
さらにSVには、オペレーターよりも深い業務知識を所持していなければなりません。オペレーターや顧客からの疑問に的確に回答できないと、不安や不信感の元となり、現場の混乱を招く可能性があります。

2.マネジメント能力

コールセンターの品質や成果は、いわゆる「応答率」や「架電率」といった数字で明確に表れます。数値データを読み解き、現状の課題は一体何なのかを理解する能力が必要です。
例えば、問い合わせ数やクレーム数が減らない場合には、電話の応対に問題がある可能性があります。オペレーターの業務負担が高いと電話の応対品質は低下する傾向にあり、クレームへとつながっていきます。
オペレーターの仕事量や内容に妥当性はあるか、数字を通して課題を理解、把握し、解決するスキルがSVには求められます。さらに、SVは各オペレーターの状況にも目を配らせ、全体像を把握した上で行動する能力も必要です。
オペレーターのサポートだけではなく「育成」という観点からも行動することが求められます。

3.コミュニケーション能力

もしオペレーターがミスをした場合、SVの指示が適切でないと事態の悪化を招く可能性があります。問題発生時は緊迫した状況になっていることが多いため、できるだけ簡潔に、わかりやすく指示を伝える能力が必須となります。
また、SVはオペレーターから「頼られる」存在でなければいざという時の信頼も得られません。日頃からオペレーターとのコミュニケーションを心がけ、信頼される人間性を持つ人がSVに適しているといえるでしょう。
ちなみに、業務に私情を挟んでしまう性格のSVだと派閥ができてしまったり、優秀な人材が定着しないといった、職場環境の悪化を招く恐れがあります。

コールセンターにおける「SV研修」とはどんなこと学ぶ?

コールセンターにおけるSV研修は、必要とするスキルや知識を学ぶためのトレーニングプログラムとして確立されています。
特に、新しくSVになった・SVの知識や経験が少ない人とっては非常に重要な研修です。研修では、主に以下のようなことを学びます。

1.コールセンターの業務プロセスに関する理解
2.オペレーターのトレーニングと指導に関するスキル
3.オペレーターの管理に関するスキル
4.品質管理と数値データによるモニタリングのスキル
5.顧客サービスに関するスキル

研修は、Webで学ぶオンラインタイプやグループディスカッション、OJT(オンザジョブトレーニング)等を適宜取り入れながら進んでいきます。
SV研修に参加することにより、コールセンターの効率性を高める、顧客満足度を向上させるために必要なスキルと知識を学ぶことができます。

これからのコールセンターにSVは必須!その理由は?

高品質な対応で、顧客満足度の向上を大きな目標としていることの多いコールセンターにおいて、SVは必須ともいえる役職です。それはなぜなのか、わかりやすくご紹介いたします。

オペレーターのスキルアップ・成果の向上につながる

SVは、チームの管理や指導を行うことで、オペレーターのスキルアップや成果の向上を支援します。SVが行うトレーニングやコーチングは、オペレーターが持つ問題や課題を特定し、解決策を提案することが可能です。

オペレーターの心理的支えになる

オペレーターでは対処しきれないクレームや問題案件に対し、SVがサポートする役割を果たすことで、オペレーターの心理的支えになります。問題の根本原因を特定し、顧客に解決策を提案することで、顧客満足度を高めた上で、オペレーターの心理的な拠り所や安心感を得る要因となります。

コールセンター全体の改善に貢献できる

コールセンターのパフォーマンスに関するレポート等を作成し、上司や他の部門と連携して改善に取り組めるのも、SVならではの特徴です。しっかりとしたデータと改善案を提示することにより、コールセンターの業務プロセスそのものの改善や、品質向上に関する取り組みを行うことができます。

緊急時・災害時のリーダーとなれる

大規模災害や緊急時の対処は、SVがどれだけ迅速に動けるかがカギとなります。SVはBCP(Business Continuity Plan・事業継続計画と呼ばれる災害時マニュアル)に則り、オペレーターを含めたチームメンバーに指示を出すことが必要です。SVが在籍していることで、大規模災害や緊急事態にも適切に対応することができます。

SVは「なり手」が少ない…SVが抱える課題について

ここまで、SVの特徴や必要な理由についてご紹介してきましたが、実はSVには「課題」も存在します。どのような課題なのか、わかりやすくご紹介いたします。

そもそもSVへ昇格したがらない

現場のオペレーターやリーダーは「SVの大変さ」を現場で直接感じ取っています。そのため「そもそもSVになりたがらない」という根本的な問題があります。
業務量の調整や、役職に見合った賃金を用意する等、SVが魅力的な立場であると認識してもらえるよう、企業側が工夫を凝らさなければ、SVのなり手がなかなか増えない…という問題は解消できません。

SVの業務を担える人材が少ない

上記でご紹介したように、SVには様々な業務スキルや対人スキル等が求められます。高い資質が必要となるため、その基準を満たした人材を見出すのは非常に困難を極めます。
SVへの昇格はオペレーターやリーダーからが基本ですが、実はオペレーターとして優秀だとしても、管理者であるSVとして優秀であるとは限りません。
例えば、業務スキルが優れていても、SVとして必要なコミュニケーションスキルや即時の判断力に欠けていると、管理者としては不十分だといえます。
この問題を解消するために、企業によってはリーダーになった時点でSV業務の一部を代行させ、ある程度の業務スキルを身につけた時点でSVへ昇格させるといった方法も取られています。

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