コールセンターのACWとは?生産性を向上させるポイント

コールセンターの業務効率を見るにあたっては、さまざまな評価項目が挙げられます。
中でも重要度が高い項目の1つとされているのが「ACW」であり、適切にこの項目を強化できれば自社コールセンターの業務効率を改善できるでしょう。
そこで今回は、コールセンターにおけるACWについて解説します。

コールセンターのACW

コールセンターにおけるACWとは「平均処理時間(After Call Work)」という意味であり、顧客との通話が終わった後に行う作業にかかる平均時間のことです。

オペレーターは通話すれば良いだけではない

オペレーターの業務と聞くと、顧客と通話して必要な情報を提供したり、営業の電話でコンバージョンにつなげるといった「通話メイン」の仕事というイメージが強いです。
しかし、実際には顧客からの依頼内容に応じた手続きをしたり、顧客との応対記録をCRMや専用のリストなどに記録したりと、さまざまな作業を通話後に行う必要があります。
オペレーターが1人の顧客に対して費やすすべての作業時間の平均を「平均処理時間(AHT/Average Handling Time)」といい、これにはACWに加えて「平均通話時間(ATT/Average Talk Time)」によって構成されています。
コールセンターにおける業務効率には、これらの要素が深く関わっており、いかにAHTを抑えられるかは重要課題の1つに位置づけられるのです。

ACWは手を加えやすい

AHTを構成する2つの要素は、顧客との通話時間であるATTと、通話後の作業時間であるACWで構成されています。
このうち、顧客との通話時間であるATTは、コールセンター全体の性質(どのような商品を扱っているか等)や入電してきた顧客の性質(クレーマー体質など)に依存するため、コールセンター側で工夫することは難しいのです。
一方でACWは顧客とのコミュニケーション後にオペレーターが単独または複数で行うため、コールセンター側が手を加えやすい要素といえます。

コールセンターが効率化を求める理由

ACWやAHTの改善はコールセンターの業務効率を改善するために重要ですが、そもそも「コールセンターを効率化する重要性」とは何なのでしょうか。
コールセンターに求められる役割は、年々その形が多様化しています。
顧客からの問い合わせ内容は多様化し、SNSやメールなどのチャネルも多様化していることにより、一昔前と比較してコールセンターの業務は複雑化しているのです。
加えて、新型コロナウイルス感染症という重大な社会問題の発生により、コールセンターに限らず仕事を取り巻く環境は大きく変化しています。
そんな現状において、コールセンターのリソース、その最たるものである「オペレーター」の人員数は限られているため、複雑化したコールセンター業務を限られたリソースでさばいていくためには業務の効率化が不可欠なのです。

コールセンターのACWを強化する方法

コールセンターの業務効率を改善するためには、ATTへのアプローチよりもACWへのアプローチが現実的です。
では、具体的にコールセンターのACWを強化するためにはどのような方法があるのでしょうか。

オペレーターの入力スキルをトレーニングする

1つ目の方法は「オペレーターの入力スキルをトレーニングする」という方法です。
ACWを構成する作業内容の多くはパソコンへのデータ入力であるため、タイピングを中心に入力スキルを研修等により強化すればACWは改善されます。
ただし、入力スピードの過度な向上およびそれに対する上司の期待は、ヒューマンエラーの発生リスクを高めるので注意しましょう。

必要な業務内容を見直す

2つ目の方法は「必要な業務内容を見直す」ことです。
業務フローを見直してみると、ときには時代の変化に伴い不要になった作業項目が見つかることがあります。
作業内容の重要性を無視して形骸化させてしまうと、ACWの悪化につながるでしょう。
定期的に業務フローを見直し、不要な作業が実施されていないかどうかチェックしてください。

CTIなど役立つシステムを導入する

3つ目の方法は「CTIなどコールセンター業務に役立つシステムを導入する」ことです。
たとえば「CTI」を導入して応対記録を録音して残したり、「チャットボット」を導入してオペレーターの手を借りずにある程度の問い合わせに応対できるようにすることで、オペレーターの作業負担が軽減されます。
システムの導入にあたっては、自社コールセンターの現状での課題を明確にしておき、それを解決できる機能を備えたシステムを導入することを念頭に置きましょう。
不要な機能ばかり備えたシステムを導入すると、業務フローを改悪させてしまう可能性があり、ACWを悪化させるリスクがあります。
あくまでもACWを改善できる性能をもったシステムであることを条件に選定し、導入しましょう。

まとめ:コールセンターのACWは業務効率改善に必要!CTIを導入しよう

コールセンターの業務効率を改善するためには、ACWに注目することが重要な方法の1つとなります。
CTIなどのシステムを導入することでACWを改善できる可能性がありますので、現状の課題を可視化して管理担当者や経営陣がこれを把握、その課題を解決できるシステムを導入してACWを改善しましょう。

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