コールセンターの稼働率とは?適正値の目安とマネジメントのポイント


コールセンター業務を管理運営する場合、管理指標の1つとして大切なのが「稼働率」。
稼働率を正しく理解したうえで管理しなければ、適切にコールセンター業務を運営することはできません。
そこで今回は、コールセンターの稼働率とは何か、適正値の目安やマネジメントのポイントなどについて解説します。

  コールセンター業務の「稼働率」とは

コールセンター業務における「稼働率」とは、従業員(オペレーター)が勤務時間内でどれだけの時間稼働しているか、つまり業務に当てているかを示す割合です。稼働率は、以下の数式で算出されます。

■稼働率=(電話の待機時間+保留・事後処理含む顧客応対時間)÷(電話の待機時間+保留・事後処理含む顧客応対時間+顧客応対以外の時間)

稼働率と類似した概念に「占有率」がありますが、こちらは勤務時間の中でどれだけ顧客応対業務に時間を割いたかを表す割合で、以下の数式で算出されます。

■占有率=(保留・事後処理含む顧客応対時間)÷(電話の待機時間+保留・事後処理含む顧客応対時間)

稼働率の場合、顧客応対以外の業務(待機時間や記録整理、研修指導、ミーティングなど)や、トイレ等の有給休憩も含まれる一方、占有率の場合は純粋に顧客応対の時間だけを示します。
また、コールセンター業務の効率を測る指標には「応答率」というのもあります。これはコールセンターのつながりやすさを見る指標で、100%ならすべての問い合わせに、50%なら2回に1回の問い合わせに対応することを表します。一般的に稼働率が高いほど応答率も高くなる傾向にありますが、相関関係にあるわけではありません。

 稼働率の適正値の目安

コールセンター業務において、必ずしも稼働率が高ければ良いというわけではありません。
稼働率が高くなれば、それだけ顧客応対品質を一定に維持することが難しくなります。また、情報共有に必要な時間が不足することに起因するミスが多くなり、離職者の増加や人間関係の悪化などにもつながりかねません。
かといって、稼働率が低ければ良いということでもありません。稼働率が低ければ、人員余剰による無駄な人件費が発生し、それに加えてサボりを防ぐための業務監視など、無駄な作業が増えてしまうリスクも高まります。
このように、稼働率が高すぎても低すぎても、コールセンター業務を管理運営するには弊害が生じてしまいます。そのため、稼働率を適正に保つことが重要となってきます。
稼働率の適正値の目安は、65%〜75%程度(応答率90%)です。
稼働率がこれより多かったり(80%以上)、あるいは少なかったり(60%以下)する場合は、配意人材の見直し等を行い、早急に改善対策を取る必要があります。
稼働率を適正に保つことで、オペレーターが落ち着いて業務に集中でき、コールセンター業務の効率化が実現できます。

 稼働率を取り入れた適正なマネジメントのポイント

ここでは、稼働率を取り入れて、コールセンターの運営管理を最適化するためのマネジメントのポイントについて解説します。

 業務量に応じた最適な人数の配置

まず、自社のコールセンターの業務量(時間・日・月ごとの平均入電数)の現状把握と将来予測を行い、稼働率の適正値を踏まえて業務量に応じた最適なオペレーターの人数を把握し、配置しましょう。
このとき、現状の稼働率が適正値よりも高すぎたり低すぎたりしている場合には、オペレーターの人数の調整や再配置が必要です。
また、入電数の多い時間帯・少ない時間帯を把握したうえで、時間に応じたオペレーターの再配置を行い、顧客応対時間以外の非生産時間を教育研修やオペレーターのケアに充てるなど、業務の見直しを実施することも検討しましょう。

 ステータス管理の徹底

続いて、稼働率をコールセンターの管理運営に反映させるためには、オペレーターの稼働状態(ステータス)の管理を徹底させることも重要です。
業務中のオペレーターが、「ログイン中」「待機中」「通話中」「保留中」「事後処理中」「休憩中」「離席中」「他業務」などのうち、どのステータスにあるのかを都度正確に把握することが必要となってきます。これらのステータスを正確に管理するためには、自社ルールを作成したうえで、システムなどを活用して、オペレーターに入力の徹底などを周知させることも必要です。

 過不足ない教育研修や情報共有の実施

適正な稼働率を維持するには、オペレーターにストレス無く働いてもらうことも重要です。そのためには、気持ち良く働いてもらうため、ストレス解消などのケアやフォロー体制の充実、適正な評価制度の整備、柔軟な働き方への対応などを行うことが大切です。
また、稼働率の維持にはオペレーターの知識やスキルアップも欠かせません。そのため、教育研修体制の整備や情報共有システムの構築なども過不足なく行う必要があります。

 まとめ: コールセンター業務の稼働率を把握し適正な業務運営を図ろう

ここまで、コールセンターの稼働率とは何か、適正値の目安やマネジメントのポイントなどについてご紹介してきました。
コールセンター運営をするにあたって、稼働率は高ければ良いというものでもありません。稼働率を適正に保ったうえで顧客応対品質を向上させることが、より効率的なコールセンター業務の運営につながります。

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