コールセンターを立ち上げるときの手順と準備しておきたいこと

社内に「コールセンター」を立ち上げることで、外部のリソースを使う場合と比較してコールセンターにかかるコストを削減することができる可能性が高まります。
しかし、何も考えずに一朝一夕でコールセンターを立ち上げることはもちろんできません。コールセンターを立ち上げるためには、適切な方法を知ったうえで臨む必要があります。
そこで今回は、コールセンターの立ち上げ方法について解説します。

コールセンターを立ち上げる手順

コールセンターの立ち上げには、以下のような手順を踏む必要があります。

目的・ゴールの設定

まず初めに、コールセンターを立ち上げるにあたっての「目的・ゴール」の設定を行いましょう。
立ちあげる目的やゴールがぶれてしまうと、コールセンターを運用する意味が分からなくなってしまい、仮に立ち上げが成功したとしても、形骸化してしまい利益を生まなくなってしまいます。
目的やゴールは、会社によっては1つとは限りません。自社の課題解決に合わせて適切な目的・ゴールを設定していく必要があります。
コールセンターは顧客と直接つながる場の1つなので、そこでの応対品質によって顧客からの企業イメージが決まってしまう場面も少なくありません。しかし、目的やゴール無く立ち上げたコールセンターでは、高い応対品質を保つのは難しくなってしまいます。
コールセンターを立ち上げる際は、何よりまず目的・ゴールを設定することを忘れないようにしましょう。

現状の把握と課題の洗い出し

目的とゴールを設定したら、次は「自社の現状を可視化させる」というプロセスが必要となってきます。
これからコールセンターを立ち上げる場合、コールセンターを立ち上げることによって発生が想定される問題点を列挙し、設定した目的・ゴールから逆算して考えていくと効率が良いでしょう。
たとえば、「顧客からの電話に対してすぐに対応できるだけの人員数が足りない」「顧客対応後の処理をスムーズに行うことができない」など、それぞれの会社の現状によって、さまざまな問題点が課題として浮上してきます。
このように自社の抱える問題点・課題を可視化させることによって、それらを解決するためにどのように対応するべきか、そのために何が必要であるのかを明確に把握することが可能になるのです。

全体設計

次に「プロセスの全体設計」を行います。
設計に必要な要素としては、大きく分けて「業務プロセス」「マネージメント」「組織体制」「人材育成の体制」の4つが挙げられます。
「業務プロセス」では、立ち上げるコールセンターでどのような業務を行うのか明確にしたうえで、各業務をどのように行うかのプロセスを決定します。
「マネージメント」では、上記で決めたプロセスを管理運営するために、KPI(重要業績評価指標)を設定します。
「組織体制」では、目的を達成するためにコールセンターを運用していくにあたって、どれだけの工数(人数と時間)が必要かを算出したうえで、最適な組織を構築します。
「人材育成の体制」では、確保した人材のサポート体制と教育体制を整えます。
新しくコールセンターを立ち上げる際は、このような流れでプロセスの全体像をしっかり設計しておくことが重要となります。

コールセンターの構築・実装

各種設計が完了したら、それに従ってコールセンターの構築作業に取り掛かります。
この段階においては、「システムや機器類の導入・設定」および「運用方法を定めたマニュアル作成」と、「人材の採用と教育」が必要です。
各項目については、以下で詳しく説明していきます。

コールセンターの立ち上げに必要な準備

コールセンターの立ち上げの最終段階である構築作業では、いくつかの準備が必要になります。

システムや機器の導入・設定

コールセンターでは、さまざまなシステムや機器を使用します。
そのためには、「電話回線」を引いたり「構内交換機」を設置したりなど、電話機などの必要機器を適切に準備することが欠かせません。
また、社内ネットワークにアクセスするための「ネットワーク設定」や「セキュリティ体制の確立」も重要です。
他にも、CTIシステムやCRMなどのシステムを、コールセンター業務の必要性に応じて用意し、セットアップして使えるようにしておきましょう。
また、オペレーターの就業環境を整えるためには、デスク・椅子などの備品手配や、照明・空調などの調整も忘れないようにしましょう。

マニュアルの作成

設計した業務プロセスにもとづいて、各種マニュアルを作成しましょう。
業務マニュアルとしては、「オペレーター用マニュアル」や「システム・電話機の操作マニュアル」だけでなく、「緊急時の対応をまとめたマニュアル」を用意しておくと安心できます。
また、コールセンターを管理するためのマニュアルとして、「シフト作成や変更・勤怠管理の手順に関するマニュアル」や、「KPI管理・品質管理に関するマニュアル」なども用意しておくと、管理に手間取ることがなくなります。必ず事前に用意しておくようにしましょう。

人材の採用と教育

プランに則って必要な人材の募集・採用を行い、研修にて教育を施します。
人材の教育においても、しっかりプランを決めて進める必要があります。そのため、設定したコールセンターの目的・ゴールにもとづいて、事前にしっかり育成プランを策定し、それに沿った人材育成を行いましょう。

まとめ:最適な手順で必要な準備を整え、自社にコールセンターを立ち上げよう

コールセンターの立ち上げは相応の労力を必要としますが、最適な手順と必要な準備をあらかじめ知っておけば、スムーズに立ち上げることができるでしょう。
各種システムの導入に関しては、立ち上げ予定のコールセンターに必要な機能を備えたものを選定し、マニュアル作成などを欠かさないようにしてください。

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